平成31年度税制改正大綱

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 車・住宅減税が柱 

自民、公明両党は12月14日、平成31年度税制改正大綱を決定しました。

「税制改正大綱とは?」

今年の税制改正大綱は計122ページ。

今回は来年の消費税率10%引上げ直前の改正。

前回の平成24年4月の消費税率8%引き上げの際には、駆け込み需要と反動減により景気の回復力が弱まったという反省点があります。

そのため、消費税率10%への引き上げを2019年10月に確実に実施するため、消費税率引上げ後の購入を十分魅力的なものにしようと、自動車と住宅に対する消費税対策が柱となりました。

【 自動車税 】

自動車のユーザーは次のような税金を負担しています。

・購入のときに「自動車取得税」(2019年9月末廃止)

  →燃費性能に応じて課税する「環境性能割」に置き換わります。

・保有期間は「自動車税」(排気量に応じ年1回支払)と「自動車重量税」(車検時に支払)

・走行時は「揮発油税」「地方揮発油税」をガソリン代に上乗せして支払

今回の大綱の目玉は、自動車の保有に伴う税負担を引き下げるため、ユーザーが毎年納める保有期間中の「自動車税」を恒久的に減税すること。

2019年10月に消費税率が10%に引き上げられた後の新車購入から、1台あたり年間1000~4500円安くなります。

車の購入時に払う「自動車取得税」は、消費増税に合わせて廃止されます。

その代わりに、燃費に応じて課税する「環境性能割」が導入されます。

ただし、本来の税率は、取得価額の3%ですが、消費増税後の1年間に限って最大2%に引き下げられます。

大綱では、自動車関連税制の将来の見直しも明記されました。

電気自動車や複数の人で車を使う「カーシェアリング」の普及が進むと、現在の税体系では税収確保が難しくなるためです。

今後、中長期的な課題として、利用者が走行距離に応じて課税される仕組みなども検討されるでしょう。

 住宅ローン減税 

住宅ローン減税については、消費税率10%が適用され、2020年末までに住宅やマンションの引き渡しを受けた購入者を対象に、住宅ローン減税を受けられる期間が現在の10年間から13年間に延長されます。

一般住宅は年40万円まで、耐震性や省エネルギー性など一定の条件を満たした「長期優良住宅」は年50万円が上限です。

1~10年目までは住宅ローンの年末残高の1%相当額を控除。

11~13年目は毎年、次の2つを毎年比べ金額が少ない方を控除できます。

①建物価格の2%を3等分した額

②ローン残高の1%

例 建物価格3000万円、ローン残高1000万円の場合

①3000万円×2%=60万 60万÷3=20万円

②1000万円×1%=10万円

 ①20万円と②10万円を比べ少ない方⇒10万円を控除

なお、住宅にかかる消費税率は、2019年9月末までに建物の引き渡しをうければ8%、

10月1日以降なら10%になります。

注文住宅は、2019年3月までに契約すれば8%げ適用されます。

 相続贈与関係では

 資金贈与

なお、子や孫に教育や出産、子育ての資金を贈与した際、一定額を非課税にする特例制度は2021年3月末まで2年間延長されます。

(本来は19年3月末で廃止の予定でした。)

通常、年間110万円を超えた贈与を受けると、受け取った側に贈与税が課税されます。

これに対して、この特例を使うと、30歳未満の子や孫に学校の入学金や授業料などの教育資金としてまとめて贈与する場合、贈与を受けた人1人あたり最大1500万円までが非課税となります。

結婚・子育てにかかる資金の贈与では、1000万円までが非課税です。

ただし、新たに所得制限が設けられ、受け取る側の合計所得金額が1000万円を超える場合は対象外となり、この特例制度を受けることが出来なくなりました。

これは、経済格差の固定を防ぐためです。

また、23歳以上の趣味の習い事代は教育資金の特例の対象外とするなど使いみちの絞り込みも行われています。

 個人事業者の事業承継に対する支援 

個人事業者が事業承継する際の税負担を軽くする制度が新設されます。

個人事業者の事業用資産に係る相続税・贈与税の納税猶予です。

相次ぐ個人商店や零細工場などの廃業を減らし、世代交代を後押しする狙いがあります。

子どもなど親族だけではなく、第三者に事業を引き継ぐ場合も対象になります。

個人事業主が事業に使う建物や土地、自動車などを後継者に引き継ぐ際には、通常は相続税や贈与税がかかります。(基礎控除額以下であれば相続税・贈与税はかかりません。)

新制度では担保を条件に、相続税・贈与税の支払を猶予し、後継者が事業を続ける限りは、支払わなくて済むようにされました。

ただし、新制度の利用には、事前に「承継計画」を都道県に提出して認可を得ることを義務付け、3年ごとの継続届出書の税務署への提出も予定されています。

事業承継を装って贈与を受けた土地をすぐに売却したり、事業を廃止するような場合には猶予されていた税額を納めなければいけません。

なお、この制度の適用を受ける場合には、特定事業用宅地等について小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けることができなくなりますので注意が必要です。

この改正は平成31年1月1日以降に相続等又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用されることになります。

また、早期の代替わりを促すため、10年間の時限措置(期間限定)になります。

以上、平成31年度税制改正大綱について主なものをまとめてみました。

来年の消費税率10%引上げを意識し、財政再建よりも景気対策を重視した改正と言えますね。

【 編集後記 】

12月14日(金)は平成30年度税理士試験の合格発表日と同じ日でしたね。

受験生の皆様は、気が気でない週末を過ごされたことでしょう。

良い結果であった方はおめでとうございます。

来年も受験を控えていらっしゃる方は年末はしっかりと休まれて、新しい年に備えてくださいね。

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